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2022/1/12

総合 - ドイツ経済ニュース

新変異株対策で飲食店規制強化、オミクロン感染8州で過半数に

この記事の要約

ドイツのオーラフ・ショルツ首相と国内16州の首相は7日、新型コロナウイルス対策に関する協議をテレビ会議方式で実施した。感染力の極めて高い新変異株オミクロンに感染する人が国内で増えていることを受けたもの。迅速なワクチン接種 […]

ドイツのオーラフ・ショルツ首相と国内16州の首相は7日、新型コロナウイルス対策に関する協議をテレビ会議方式で実施した。感染力の極めて高い新変異株オミクロンに感染する人が国内で増えていることを受けたもの。迅速なワクチン接種のほか、飲食店の入店規制強化、隔離期間の短縮で合意した。各州は今回の取り決めに基づく措置を15日までに実施する。

オミクロン株の感染者数は急速に増えている。ロベルト・コッホ研究所(RKI)の11日付発表によると、11月14~20日の週(2021年第46週)は同株の新規感染者数が32人にとどまっていたが、その後は毎週増加。翌週以降は57人、238人、870人、3,644人、1万585人と爆発的に拡大し、21年最終週の第52週(12月27日~1月2日)には前週の3倍の3万1,286人に達した。22年第1週(1月3~9日)は5万2,782人と増加幅が69%に緩んだものの、実際の数はこれを大幅に上回るとみられる。年始で検査・報告件数が少なかったほか、現時点で遺伝子解析が終了していない検体が多いという事情を考慮する必要がある。

人口10万人当たりの同週のオミクロン株新規感染者数は63.5人だった。前週の37.6人、前々週の12.7人から急速に増えている。

同株の累計感染者数は10万1,159人に上る。最も数が多い州はノルトライン・ヴェストファーレンで2万9,559人。バイエルン(2万3,235人)とバーデン・ヴュルテンベルク(1万3,961人)も5ケタ台に達している。

RKIの6日付コロナ週報によると、オミクロン株はすでに21年第52週時点で国内州の半数の当たる8州で感染の過半数を占めている。同割合が最も高いのはブレーメンで85.5%に達した。これに同じ北部のシュレスヴィヒ・ホルシュタインが69.4%、ニーダーザクセンが66.4%で続いている。4位はベルリン(58.2%)、5位はラインラント・ファルツ(58.1%)、6位はヘッセン(56.0%)、7位はノルトライン・ヴェストファーレン(52.4%)、8位はハンブルク(50.4%)。東部州は同比率が低く、最低のザクセン・アンハルトは3.2%にとどまった。東部には他地域との人の行き来が少ない過疎地が多いことから、同株の伝播は今のところ小規模にとどまっている。

FFP2マスクを強く奨励

オミクロン株の影響を可能な限り抑制するため、国と州は今回、ワクチン接種を速やかに進める方針を確認した。ショルツ首相は「ブースター接種が最善の予防策だ」と強調。11月中旬からクリスマスまでの接種件数が目標の3,000万件に達したことを挙げ、1月末までにさらに3,000万件を実現することに意欲を示した。

飲食店にはこれまで、入店可能な顧客をワクチン接種の完了者と感染からの快復者に制限する「2G」ルールが適用されてきた。今後は接種完了者と快復者に陰性証明の提示を義務付ける「2Gプラス」ルールを導入。規制を強化する。オミクロン株は感染しやすいことと、店内では通常マスクを着用しないことを踏まえた措置だ。ブースター接種を受けた人は感染リスクが比較的低いことから、これまでに引き続き陰性証明なしで入店できる。

新型コロナ感染者と濃厚接触した人はこれまで14日間の隔離を義務付けられていた。だが、感染リスクの高いオミクロン株が広がると感染者と濃厚接触者が急増し、労働力不足に陥る懸念があることから、国と州は隔離期間の短縮を決めた。隔離期間は感染者も濃厚接触者も10日となる。また、隔離8日目以降に陰性証明を取得すれば、隔離義務は中途解除される。ブースター接種を受けた人、接種完了(ジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンを除き2度の接種で完了)ないし感染快復から3カ月未満の人は、感染者と濃厚接触しても隔離を免除される。

国と州は12月下旬の前回会議で、警察、消防、病院など重要インフラ機関・施設に対し、感染者の急増で勤務可能な人員が大幅に減っても対応できるよう、パンデミック対策の見直しを求めることも決議した。これを踏まえ重要インフラ機関・施設がパンデミック対策を変更したことから、今後は労働時間規制を緩和し、少ない労働力で業務を維持できるようにする意向だ。残業時間規制などを一時的に緩めることを念頭に置いている。

今回の会議の決議には、小売店内や公共交通機関でのFFP2マスク着用を強く奨励することも盛り込まれた。医療用マスク(OPマスク)は感染防止効果が低いためだ。バイエルン州ではFFP2マスクの着用がすでに義務付けられている。