ベトナム複合企業ビングループの自動車子会社ビンファストがドイツで電気自動車(EV)を生産する計画だ。独貿易・投資振興機関(GTAI)と現在、協議を進めている。実現すれば米テスラに次いで独にEV工場を持つ外資系2社目の企業となる。ビンファストとGTAIの確認を得た情報として各種メディアが報じた。
ビンファストは2017年の設立。EVとガソリン車、電気バス、電動バイクを手がけている。米ラスベガスで開催されたテクノロジー見本市「CES 2022」(5~7日)にはEV計5モデルを出展した。
ドイツではEVと電気バスを製造する計画。ル・ティ・トゥ・トゥイ社長は「自動車を全世界に船舶で輸出する時代は終わった。コロナ禍でサプライチェーンが制限されるようになってからは特にそうだ」と述べ、今後は地産地消が重要になるとの認識を示した。ドイツで生産する車両は欧州で販売する意向だ。北米にも工場を設置し、2024年下半期から生産することを目指している。
独工場の設置場所や規模、建設・操業開始時期など詳細は明らかにされていない。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙は、将来の廃止観測が出ている自動車大手オペルのアイゼナハ工場を取得することは選択肢の1つになり得るとの見方を示した。