21年の乗用車新車登録10%減少、国内生産は46年ぶりの低水準に

ドイツ連邦陸運局(KBA)が5日発表した2021年の乗用車新車登録台数は前年比10.1%減の262万2,132台へと落ち込んだ。コロナ禍初年度の前年に比べ需要自体は増えたものの、半導体不足を背景に世界の自動車メーカーが生産調整を強いられたことから7月以降は前年同月割れが続き、通年で前年(292万台)を下回った。19年は361万台に達しており、2年連続で2ケタ減となった。

新車登録を動力源別でみると、電気自動車(EV)は83.3%増35万5,961台と大幅に拡大。プラグインハイブリッド車(PHV)も62.3%増の32万5,449台と好調だった。PHVを含むハイブリッド車(HV)全体でも43.0%増えて75万4,588台となった。内燃機関車は需要が急減しており、ガソリン車は28.6%減の97万2,588台、ディーゼル車は36.0%減の52万4,446台へと落ち込んだ。

シェアをみると、EVは13.6%となり、前年(6.7%)の2倍強に拡大。PHVも6.9%から12.4%へと伸びた。HVは28.8%(前年18.1%)で、EVとHVの合計は42.4%に達した。一方、ガソリン車は46.7%から37.1%、ディーゼル車は28.1%から20.0%へと低下した。

走行1キロメートル当たりの新車の二酸化炭素(CO2)排出量は平均118.7グラムで、前年(139.8グラム)から15.1%減少した。純粋な内燃機関車が激減し、EVなどの環境対応車が大幅に増えたことが反映されている。

新車登録を部門別でみると、シェアが最も大きかったのはSUVで25.4%に上った。前年の21.3%を4ポイント以上、上回っている。コンパクトカーは17.5%となり、2位を保ったものの、前年(20.5%)からは3ポイント低下し、SUVとの差は一段と拡大した。3位は小型車で14.3%(前年15.1%)だった。

超小型車(16.5%増)、大型車(8.4%増)、SUV(7.5%増)、キャンピングカー(4.4%増)では登録台数が前年を上回った。

マイカーとしての登録は16.3%減少し、社用車も6.5%落ち込んだ。シェアはそれぞれ34.6%、65.4%となっている。

カラー別ではグレー/シルバーが29.8%で最も多く、これにブラック(24.7%)、ホワイト(21.5%)が続いた。

主要ブランドのなかで前年を上回ったのは計8ブランドにとどまった。販売車種を電動車に絞り込んでいるポールスター(153.2%増の2,631台)、テスラ(137.9%増の3万9,714台)、スマート(49.7%増の2万4,023台)が特に大きな伸びを記録。ハイブリッド車販売に注力するスズキも22.1%増の2万7,336台と好調で、伸び率4位に付けた。

スマート以外のドイツ車ではオペルが10.7%増の16万1,852台、ポルシェが9.9%増の2万8,925台へと拡大した。そのほかのブランドはミニが2.7%減の4万2,938台、VWが6.8%減の48万9,962台、BMWが7.7%減の22万2,481台、アウディが15.0%減の18万1,877台、メルセデスが25.7%減の22万5,392台、フォードが35.0%減の12万6,358台。

スズキ以外の日本車はトヨタが6.8%減の7万1,890台、レクサスが11.7%減の3,116台、スバルが13.6%減の4,671台、マツダが14.1%減の3万8,107台、三菱が17.9%減の3万6,939台、日産が24.5%減の2万6,254台、ホンダが32.4%減の7,906台だった。

日本車以外の輸入車をみると、起亜(2.4%増の6万5,839台)と現代(1.5%増の10万6,620台)は増加した。両ブランドは電動車の販売を強化している。他の輸入車はプジョーが4.9%減の5万2,660台、セアトが5.1%減の10万8,726台、フィアットが7.1%減の8万2,783台、ボルボが7.6%減の4万3,616台、アルファロメオが7.9%減の2,991台、双竜が9.9%減の1,546台、ランドローバーが10.2%減の1万1,657台、シトロエンが12.9%減の4万2,636台、ジープが13.9%減の1万3,503台、ルノーが15.5%減の10万5,944台、シュコダが17.3%減の14万9,838台、ダチアが20.4%減の4万338台、DSが25.4%減の2,069台、ジャガーが39.0%減の4,267台だった。

12月の乗用車新車登録台数は22万7,630台で、前年同月を26.9%下回った。減少は6カ月連続。

一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した21年の国内乗用車生産台数は前年比12%減の310万4,600台となり、1975年以来46年ぶりの低水準を記録した。輸出台数も10%減の237万8,400台へと後退した。12月は生産台数が前年同月比11%減の25万6,200台、輸出台数が同11%減の20万6,800台だった。

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