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2022/1/19

総合 - ドイツ経済ニュース

新規感染9万人突破、オミクロン株は年初時点で全体の73%に

この記事の要約

新型コロナウイルスの新規感染が急速に増えている。ロベルト・コッホ研究所が14日発表した前日の新規感染者数(報告ベース)は9万2,223人となり、これまでに引き続き過去最高を更新した。前週同日(5万6,335人)に比べると […]

新型コロナウイルスの新規感染が急速に増えている。ロベルト・コッホ研究所が14日発表した前日の新規感染者数(報告ベース)は9万2,223人となり、これまでに引き続き過去最高を更新した。前週同日(5万6,335人)に比べると64%多い。感染力の極めて高いオミクロン株が主流となったことが背景にある。

新規感染者数は11日に8万430人となり、初めて8万人を突破。12日には8万1,417人に拡大していた。

人口10万人当たりの直近7日間(7日間の発生数)の新規感染者数も過去最高を更新した。14日に510.5人となり、初めて500人の大台を記録。17日には557.7人に達した。

7日間の発生数は特に大都市で多く、最大のベルリン市ノイケルン地区では1,540.6人に達した。ブレーメン市(1,375.1人)とフランクフルト(1,220.0人)も深刻な水準だ。全国で計9地域が1,000人を超えている。

オミクロン株への感染が確認された人は18日時点で計20万7,035人に達し、前日から1万5,613人(8%)増加した。1週間の同株感染者数(12日時点のデータ)をみると、2022年第1週(1月3~9日)は6万8,598人で、前週(12月27日~1月2日)の3万2,723人から2.1倍に拡大。人口10万人当たり(17日時点のデータ)では40.7人から92.6人へと増えた。

新規感染者に占めるオミクロン株の割合は22年第1週に73.3%(11日時点のデータ)へと達し、デルタ株(同25.9%)を抜いて感染の主流となった。前週は40.2%(10日時点のデータ)、前々週は19.4%(同)だった。

快復者のステータス期間を90日に短縮

22年第1週にオミクロン株の感染者数が最も多かった州(11日時点のデータ)はノルトライン・ヴェストファーレンで、1万4,137人に達した。人口が国内最大であることが大きい。2位はバイエルンで1万3,931人、3位はバーデン・ヴュルテンベルクで8,111人。4位のラインラント・ファルツは3,004人と、上位3州との差が大きい。

新型コロナ感染者に占めるオミクロン株の割合が最も高い州はブレーメンで、96.2%に達した。シュレスヴィヒ・ホルシュタイン(86.9%)、ニーダーザクセン(84.6%)、ザールラント(84.6%)、ハンブルク(84.5%)、ベルリン(84.1%)、ヘッセン(83.7%)の6州は80%台で、ノルトライン・ヴェストファーレンは75.8%、バイエルンは75.2%、バーデン・ヴュルテンベルクは72.0%となっている。東部地域では50%未満の州が多く、最低のメクレンブルク・フォーポマーンは10.6%だった。

オミクロン株の累計の入院患者数は1,864人で、同株感染者に占める割合は0.9%だった。死者は89人。年齢別の内訳は80歳以上が62人、60~79歳が23人、35~59歳が3人、15~34歳が1人となっている。

オミクロン株はデルタ株に比べると重症化リスクが低いことから、新型コロナ患者の集中治療病床使用率は17日時点で12.2%にとどまった。直近のピークである昨年12月12日(22.3%)を約10ポイント下回っている。ただ、オミクロン株感染者の急増が続くと集中治療体制がひっ迫する恐れがあり、政府や医療機関は警戒している。フランクフルト大学病院のユルゲン・グラフ院長は地元紙に、集中治療病床の新型コロナ患者が現時点で少ないのは感染者が主に若年層であるためだと指摘。オミクロン株が今後、高齢者にも広がっていくと医療体制は危機的な状況に陥りかねないとの見方を示した。一部の州ではすでに一般病棟に入院する新型コロナ患者が増え始めている。

一方、RKIは17日、「新型コロナ感染からの快復者」のステータス期間を従来の6カ月から90日に半減したことを明らかにした。オミクロン株の流行を受けた措置で、感染から90日が経過すると再感染したり他人を感染させるリスクが大きくなることが科学的に分かったためと説明している。ワクチン接種を受けない快復者は90日が経過すると「ワクチン非接種者」となり、2Gルール適用の店舗への入店やイベント参加ができなくなる。