自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は24日、欧州連合(EU)域内(非加盟国のノルウェーとアイスランドを含む)でグループが昨年、販売した乗用車の二酸化炭素(CO2)排出量が許容上限を下回ったことを明らかにした。一昨年は上回っていたが、昨年は電動車の販売が大幅に増加。同規制のスタートから2年目で順守にこぎ着けた。
EUではCO2の排出規制を順守できない乗用車メーカーに制裁金を課すルールが2020年に導入された。メーカーはEU市場での年販売台数に応じ、排出許容上限を1グラム超過するごとに1台当たり95ユーロの制裁金を課されることになっている。
域内で昨年販売されたVWグループ車の走行1キロメートル当たりCO2排出量は平均118.5グラムとなり、許容上限(120.8グラフ)を1.9%下回った。電気自動車(BEV)とプラグインハイブリッド車(PHV)の販売台数は前年比64%増の計47万2,300台へと拡大。グループ乗用車販売に占める割合は前年の10.1%から17.2%へと拡大した。同社は欧州販売に占めるBEVの割合を30年に60%へと拡大する計画だ。
CO2排出量の算出方法には20年まで「新欧州ドライビングサイクル(NEDC)」が採用されていたが、21年からは検査精度が高く、検出される排ガスの値が大きくなる「世界統一試験サイクル(WLTP)」へと変更された。このためVWグループ車の21年のCO2排出量は前年の99.9グラムから見かけ上、大幅に増えたが、実際には増えていない。