化学大手の独コベストロは19日、米バイオ企業ジェノマティカと共同で植物ベースのヘキサメチレンジアミン(HMDA)の量産に初めて成功したと発表した。化石資源ベースの従来品に替わる炭素中立の製品を求める顧客が増えていることに対応する狙い。量産した植物ベースのHMDAは現在、検査を実施しており、コベストロは将来的に年200万トンを生産する意向だ。同社コーティング・接着剤部門の責任者は「(ジェノマティカとの)このプログラムは極めて重要だ。なぜならば、市場は化石ベースの製品と同等の品質を持つとともに、環境に優しい再生可能原料ベースの製品を強く求めるようになっているためだ」と述べた。
HMDAはポリアミド(ナイロン)6.6や塗料・接着剤の重要な原料で、HMDAを用いた材料は自動車、家具、繊維など幅広い製品で使用されている。
ジェノマティカはこれまで化石原料ベースで作られてきた材料を、バイオテクノロジーと再生可能な植物性原料を用いて生産する技術を開発している。同社が開発した技術で製造された材料は衣料品から化粧品まで幅広い分野の製品に投入されている。