ドイツ連邦統計局と連邦経済省が4日発表した2021年12月の製造業新規受注指数(2015年=100)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で112.5(暫定値)となり、前月を2.8%上回った。11月の同3.6%増に引き続き2カ月連続で拡大しており、経済省は、原材料・部品不足の影響で高水準に達している受注残の消化が進めば経済は力強く成長するとの見方を示した。新規受注は大型受注を除いたベースでも2.9%増加した。
全体をけん引したのは国内受注で、前月を11.7%上回った。国外は3.0%減で、ユーロ圏が4.2%、ユーロ圏外が2.3%の幅で落ち込んだ。ユーロ圏は11月に10.3%増えており、12月は反動が出た格好だ。
12月の新規受注を部門別でみると、伸び率が最も大きかったのは消費財で、5.3%に上った。増加は3カ月連続。国内が13.4%増えた。
中間財は4.1%増加し、2カ月連続で拡大した。国内が6.3%、ユーロ圏外が3.9%の幅で増加。ユーロ圏は0.1%落ち込んだ。
投資財は1.8%増えた。増加は2カ月連続。国内が16.1%伸びて全体を強く押し上げた。ユーロ圏は7.8%減、ユーロ圏外は5.0%減だった。
12月の新規受注高は新型コロナウイルスの感染が国内で流行する直前の20年2月比では9.8%増加した。
12月の製造業売上指数(暫定値)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前月を0.2%上回った。生産が滞っているメーカーが多いことから20年2月に比べると2.9%低い。
21年全体の製造業新規受注は前年比で17.8%増加した。コロナ禍前の19年比でも9.8%増えている。製造業売上は前年比で5.0%増加したものの、19年比では5.5%減少した。