欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2022/2/9

企業情報

1KOMMA5°(ソーラーパネル設置)―スウェーデン社買収で国外進出―

この記事の要約

ソーラー発電パネルの設置サービスを手がける独スタートアップ企業1KOMMA5°(アインツコンマフュンフグラート)は1日、スウェーデン同業のセルソーラーを買収したと発表した。同社初の国外企業買収で、今後はデンマーク、フィン […]

ソーラー発電パネルの設置サービスを手がける独スタートアップ企業1KOMMA5°(アインツコンマフュンフグラート)は1日、スウェーデン同業のセルソーラーを買収したと発表した。同社初の国外企業買収で、今後はデンマーク、フィンランド、スペイン、イタリア市場にも買収を通して参入する意向だ。

1KOMMA5°は電気自動車(BEV)大手テスラのドイツ事業統括責任者だったフィリップ・シュレーダー氏が設立した企業で、ハンブルクに本社を置く。世界の平均気温の上昇を産業革命前に比べて1.5度未満に抑えるとしたパリ協定の目標実現を目指し、起業した。社名には1.5度を意味するドイツ語を採用している。ソーラーパネルや蓄電池、電動車用充電インフラの購入から設置、売電契約までの面倒な手続きを一手に引き受け、顧客の負担を大幅に軽減。太陽光発電の普及を加速させる狙いだ。

比較的規模の大きい設置事業者の買収を通して事業を急速に拡大しており、この半年で7社を買収した。セルソーラーはスウェーデン2位のソーラーパネル設置事業者で、雇用規模は500人強。

1KOMMA5°の傘下に入った設置事業者は独立性を失う見返りとして同社の株式を取得。また、同社の高い設置技術やソフトウエア、ネットワークを利用できるようになる。

事業拡大の資金は富裕層のファミリーオフィスから主に転換社債の形で確保している。昨年12月には高級車大手ポルシェがベンチャーキャピタル部門を通して資本参加した。今後2年で買収に1億ユーロ以上を投資する意向だ。

昨年の売上高は4,000万ユーロだった。今年は1億5,000万ユーロに拡大。4年後には最大5億ユーロに増やせるとみている。