ECBの利上げ、年内に実施=独連銀総裁

ドイツ連邦銀行(中銀)のナーゲル総裁は9日、ユーロ圏で物価の急上昇が続いていることを受けて、欧州中央銀行(ECB)が年内に利上げするべきとの考えを示した。ECBのラガルド総裁も先日、利上げは来年以降とする方針にこだわらない姿勢を示したばかりで、年内に2011年以来の利上げに踏み切る可能性が高まってきた。

1月に就任したナーゲル総裁は独週刊紙『ツァイト』とのインタビューで、インフレ圧力が強い状況が3月に変わらなければ、ECBの理事会で「金融政策の正常化を支持する」と発言。第1段階として量的金融緩和を終了したうえで、年内に利上げするという考えを示した。

ECBではオランダ中銀のクノット総裁が6日、テレビ局とのインタビューで、22年10~12月期に利上げするとの見通しを示すなど、利上げの機運が高まっている。ナーゲル総裁は「行動が遅くなれば、早く動いた時より利上げ幅は大きくなり、引き上げのペースも早まる」と述べ、利上げの影響をできる限り抑えるためにも早期の実施が望ましいとした。

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