ドイツ連邦統計局が4日発表した1月の輸出高は営業日数・季節要因調整ベースで1,169億ユーロとなり、前月を2.8%下回った。減少は4カ月ぶり。ユーロ加盟国向けが8.8%減、欧州連合(EU)のユーロ非加盟国向けが11.5%減と大きく低下し、足を強く引っ張った格好だ。EU域外向けは6.2%増えた。
輸入高も4.2%減の1,075億ユーロとなり、6カ月ぶりに落ち込んだ。地域別ではユーロ圏が7.1%、EUのユーロ非加盟国が6.2%、EU域外が1.3%の幅で後退した。
貿易収支は94億ユーロの黒字だった。黒字幅は前月(81億ユーロ)を上回ったものの、前年同月(207憶ユーロ)からは大幅に縮小した。
ロシアとの貿易は輸出高が14.4%増の26億ユーロ、輸入高が18.9%増の39億ユーロとともに大きく伸びた。ウクライナ情勢の緊迫はこの時点で両国の貿易に反映されていない。輸入が大きく伸びたのは天然ガスなど化石燃料の価格が高騰したためとみられる。
1月の輸出高は新型コロナウイルス感染の流行がドイツで始まる直前の2020年2月に比べると4.0%高かった。輸入高は17.8%も上回っている。
1月の名目輸出高は1,092億ユーロで、前年同月を11.0%上回った。増加は12カ月連続。輸入高も25.6%増の1,058億ユーロとなり、12カ月連続で拡大した。貿易黒字は35億ユーロで、前年同月の142億ユーロから大幅に縮小した。輸入物価の高騰が反映されている。1月の輸入物価の上げ幅は前年同月比で26.9%に達し、輸出物価(同11.9%)の約2.3倍に上った。