独北部のブルンスビュッテル港でLNG(液化天然ガス)輸入ターミナルの建設・運営を計画するジャーマンLNGターミナルは23日、英エネルギー大手のシェルが同ターミナル容量のかなりの部分を予約することで基本合意したと発表した。ドイツ政府はロシアのウクライナ侵攻を受け、LNGターミナルの建設を通してロシア産化石燃料への強い依存を早急に引き下げる方針を打ち出したことから、棚上げ状態となっていたブルンスビュッテルLNGターミナル建設プロジェクトはにわかに活性化している。両社は今後、予約の規模と期間を取り決め、早急に本契約を結ぶ意向だ。成約すればシェルは最初の顧客となる。
オーラフ・ショルツ首相は2月末、独北部のヴィルヘルムスハーフェン港とブルンスビュッテル港で計画されているLNGターミナルの設置を速やかに実現する意向を表明した。同国には現在LNGターミナルがなく、これがロシア以外の国からの天然ガス輸入を拡大するうえで大きな障害となっていることから、国はターミナル建設を後押しする。
ブルンスビュッテルLNGターミナルは年間処理能力が80億立方メートルで、容量16万5,000立方メートルの貯蔵タンク2基が設置される予定。LNGは再ガス化され、パイプライン、トラック、鉄道で輸送される。将来的には、再生可能エネルギーで製造するグリーン水素とその誘導体のターミナルへと転換される計画だ。