労働市場の戦争の影

ドイツ連邦雇用庁(BA)が3月31日発表した同月の失業者数は236万2,000人となり、前月を6万6,000人下回った。コロナ禍の発生で悪化した労働市場の回復は続いており、季節要因を加味したベースでも1万8,000人減少した。ダニエル・テルツェンバッハ理事は、ロシアのウクライナ侵攻が労働市場にもたらす影響は現時点で小さいとしながらも、「事態のさらなるエスカレーション、および化石原料の供給停止などに伴うリスクは経済の今後の展開を圧迫する」と述べ、雇用情勢の回復に悪影響が出る可能性を示唆した。

3月の失業率は5.1%で、前月から0.2ポイント低下した。前年同月に比べると1.1ポイント低い。

国際労働機関(ILO)基準の2月の失業率は3.0%で、前月を0.2ポイント下回った。

新規に操短の届け出対象となった被用者の数は3月1~27日に計11万3,000人となり、3カ月連続で減少した。国の操短手当の1月の受給者数は65万4,000人(暫定値)だった。

3月の求人件数は83万9,000件で、前年同月を22万9,000件上回った。季節要因を加味した前月比でも4,000件増加している。ただ、新規件数に限ると前月を1万2,000件、下回っており、BAは「ウクライナ戦争に伴う経済の先行き不透明感が反映されている可能性がある」との見方を示した。求人指数BA-Xは前月を1ポイント下回る135へと下落した。

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