独北部シュターデ産業団地でLNG(液化天然ガス)ターミナルの建設を計画する企業連合ハンゼアティック・エナジー・ハブ(HEH)は11日、米化学大手ダウ・ケミカルを新たな出資者として迎え入れると発表した。ダウは少数株主として出資。ノウハウや土地を提供する。出資比率など取引の詳細は明らかにされていない。
ダウはシュターデに工場を持っている。HEHとは昨年、同工場の排熱を建設予定のLNG再ガス化施設向けに供給することで合意した。今回の出資によりHEHのLNGターミナル設置・運営プロジェクトへの関与を高める。
HEHは港湾サービスのBUSSグループ、ガス・インフラのフルクシス、スイスの投資会社パートナーズ・グループが出資する合弁会社。シュターデ港にLNGターミナルを建設することを計画している。4月中に認可申請を行い、2026年から操業を開始する意向だ。
同ターミナルの再ガス化能力は年133億立法メートルで、ドイツのガス需要の15%弱に相当する。将来的にはアンモニアなど水素を輸送・貯蔵するためのキャリアの取り扱いも計画している。
ダウはHEHの4番目の出資者として、ターミナル用地、インフラサービス、液化ガス取り扱いと水素製造・利用のノウハウを持ち寄る。シュターデ工場では水素生産能力5万トンの電解槽を運営している。