ドイツ機械工業連盟(VDMA)は5月30日、独業界の2022年の実質生産成長率を従来予測の4%から1%へと大幅に引き下げた。ロシアのウクライナ侵攻とサプライチェーンのひっ迫を受けたもの。サプライチェーンの状況は中国のロックダウンを受けて一段と厳しくなったとしている。名目売上高については8%増の2,390億ユーロとなり、過去最高を更新すると見込んでいる。
今回の予測はエネルギー供給の突然停止が起きないことを前提としている。このためロシア産天然ガスの供給が大幅に減ったり停止した場合は、生産成長率予測のさらなる下方修正が避けられない見通しだ。
ロシアで生産ないし販売、サービス事業を展開する会員企業に行ったアンケートでは、全体の95%が現地事業を大幅に制限するか停止していることが分かった。欧米の制裁や旅行・輸送制限、情勢悪化を理由としている。
ロシア事業の今後6カ月の見通しについては、60%が「一段と悪化する」ないし「全面放棄する」と回答。20%は戦争を理由に「予想が立たない」と答えた。VDMAのカール・ホイスゲン会長は、仮に戦争が速やかに終結し、ウクライナの領土主権が回復したとしても、ロシア事業を再び安心して行えるようになるまでには長い時間が必要だとの見方を示した。