自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)が17日発表した5月のグループ新車販売台数は前年同月比23.5%減の65万8,300台となり、これまでに引き続き大幅に落ち込んだ。半導体不足に伴う生産低迷にロシアのウクライナ侵攻と中国の厳しいコロナ規制が追い打ちをかけた。
減少幅が最も大きかった地域は中東欧で、48.3%減の3万5,400台とほぼ半減した。ロシアとウクライナで販売が激減したとみられる。VWはロシアでの現地生産と同国向けの輸出を3月に停止している。西欧は22.9%減の22万6,300台、中国は23.8%減の23万2,600台、北米は24.0%減の7万3,600台、南米は6.1%減の4万2,400台、中東・アフリカは22.7%減の2万2,100台だった。中国以外のアジア太平洋は13.3%増の2万5,700台と唯一、拡大した。
ブランド・グループ別でみると、大衆車(ブランド・グループ・ボリューム)は26.0%減の47万3,000台へと落ち込んだ。VWブランド乗用車が23.3%減の35万4,500台、シュコダが39.3%減の5万5,400台、セアト/クプラが23.2%減の4万100台、VWブランド商用車が31.9%減の2万3,000台となっている。
高級車(ブランド・グループ・プレミアム)は20.9%減の13万7,000台で、主力のアウディは21.3%減の13万4,800台。ポルシェを対象とするスポーツ車(ブランド・グループ・スポーツ)は10.4%減の2万4,300台だった。
商用車子会社トレイトンの販売台数は2万4,000台で、前年同月を15.8%上回った。MANが18.6%減の1万400台、スカニアが11.6%減の7,000台と振るわなかったものの、昨年7月に買収した米ナビスターの6,000台が加わったことから、トレイトン全体でプラスとなった。
1~5月のグループ販売台数は307万3,100台で、前年同期を25.5%割り込んだ。西欧が19.5%、中東欧が40.1%、北米が21.4%、南米が35.6%、中国が28.5%、中東・アフリカが31.3%の幅で減少。中国以外のアジア太平洋は3.0%増加した。
ブランド・グループ別では商用車のトレイトンを除いてすべて減少した。大衆車は28.0%減、高級車は22.5%減、スポーツ車は8.6%減。トレイトンはナビスター買収の効果で5.8%増えた。