ドイツのカール・ラウターバッハ保健相は17日の記者会見で、屋内ではマスクを自主的に着用するよう呼びかけた。新型コロナウイルスの感染者数が再び急増しているためだ。症状が軽症でも後遺症「ロングコビット」を患う人は感染者数が増えれば増えるほど増加すると指摘。再び到来した感染の波を侮ってはならないと注意を促した。
人口10万人当たりの直近7日間の新規感染者数は7日の249人を直近の底に増加。15日には511人と2倍以上に膨らんだ。その後は統計上、減少しているものの、祝日が絡んでいるため、実際には減少していない可能性が高い。ロベルト・コッホ研究所(RKI)のラース・シャーデ副所長は、PCR検査を受けない感染者が多いため、実際の感染者数は統計の2倍に上るとの見方を示した。
感染者急増の背景にはコロナ規制の緩和で社会的距離を保ったりマスクを着用する人が大幅に減ったことのほか、オミクロン株のなかでも感染力が特に高い派生型「BA.4」と「BA.5」が流行し始めたためだ。全感染者に占める両派生型の割合は2022年第22週(5月30日~6月5日)時点で計27.9%に達し、前週(13.7%)の2倍強に拡大した。現在(第25週)はすでに50%を超えていると推測されている。