機械メーカーの9割でサプライチェーンに支障

ドイツの機械メーカーの87%が現在、サプライチェーンに「大きな」ないし「深刻な」支障を抱えていることが、業界団体VDMAが21~23日に実施した会員企業アンケート調査で分かった。4月上旬の前回調査から8ポイント増加。昨年12月に記録した過去最高(84%)も3ポイント上回った。ロシアのウクライナ侵攻、中国のロックダウン、主要港湾でのコンテナの渋滞など複合的な要因が絡まり合い、状況が悪化している。

VDMAは新型コロナウイルスの世界的な流行が経済に大きな影響をもたらすようになったことを受けて、2020年3月中旬にアンケート調査を開始した。その後、継続的に調査を行っている。

今回は519社が参加した。サプライチェーンの今後の見通しについては39%が「悪化する」と回答。「改善する」(4%)を大幅に上回った。ただ、ロシアのウクライナ侵攻開始から間もない前回に比べると悪化の割合が21ポイント低下している。供給不足が改善する時期については44%が23年下半期と答えた。

需要の「悪化(新規受注の減少ないしキャンセルの増加)」を予想する企業は36%に上った。「改善」は同5%にとどまった。

調達に苦労している部品を分野別に質問したところ、不足度が「大きい」ないし「深刻」との回答は電気・電子部品で、計87%に達した。これに金属・金属製品が63%で続いた。プラスティック・ゴムは42%、化学品は18%だった。

サプライチェーンの安定化に向けて調達網の改善に取り組む企業は83%に上った。在庫を増やした企業は77%、調達する材料の種類を切り替えた企業は55%。今後予想される天然ガスの供給不足にはすでに30%が具体的な対応策を策定した。

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