ロシアのIT技術者採用、独企業の8割以上が前向き

ロシアとベラルーシのIT技術者を採用することにドイツ企業の84%が前向きであることが、情報通信業界連盟(Bitkom)のアンケート調査で分かった。専門人材不足が深刻なことが背景にある。求人要件を満たすとともに当局のセキュリティ調査で問題がなければ原則的に採用する考えだ。

調査対象企業ではIT人材が1社当たり87人、不足していた。ビットコムはこれをもとにドイツ全体の不足数が年初の9万6,000人から10万人超に拡大したと推定している。

こうした状況を反映し、アンケートではドイツ語ができなくても両国のIT技術者を採用するとの回答が41%に達した。ドイツ語を必須条件とするのは17%にとどまる。残り42%は投入分野でドイツ語が不要であれば採用するとしている。

採用したい分野ではソフトウエア開発が最も多く81%に達した。これにソフト設計が66%、クラウドエンジニアリングが48%、データサイエンスが46%、ユーザーエクスペリエンス(UX)デザインが43%で続いた。

ロシアのウクライナ進攻を受け、ロシアとベラルーシからはIT技術者10万人以上が国外に流出した。Bitkomのアッヒム・ベルク会長は、IT人材不足はデジタル業界にとどまらず、経済界全体や行政、教育など国のあらゆる領域にとってマイナスだと指摘。両国のIT技術者を速やかに採用できるようにするための緊急プログラムを実施するよう政府に要請した。

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