6月輸入物価+29.9%に、上げ幅は2カ月連続縮小

ドイツ連邦統計局が7月29日発表した6月の輸入物価指数は前年同月比29.9%増となり、これまでに引き続き大きく上昇したものの、上げ幅は2カ月連続で縮小した。直近のピークである4月は31.7%に上っていた。最上流に位置する輸入物価の上昇率が頭打ちとなっていることもあり、製造や建設などの川下レベルでは値上げの動きが幅広く鈍化している。

輸入物価を最も強く押し上げたのはこれまでに引き続きエネルギーで、上昇率は136.0%に上った。天然ガスは198.9%、石炭は273.3%、石油製品は109.7%、原油は85.3%となっている。エネルギーを除いたベースでは輸入物価の上昇率が15.4%(前月17.1%)だった。

中間財の上げ幅は前月の24.5%から22.1%に低下した。前年同月を下回るのは2カ月連続。上昇率は特に肥料・窒素化合物(159.6%)、アルミニウム(65.2%)、紙(41.7%)、銑鉄・鉄鋼・鉄合金(41.0%)、バージン・プラスチック(21.6%)などで大きかった。

投資財の上げ幅は前月の8.1%から7.7%に縮小し、低下へと転じた。機械は8.7%、自動車・自動車部品は6.1%だった。

耐久消費財は前月の8.0%から9.4%へと膨らんだ。

非耐久消費財は同13.1%で、前月と同水準となった。食料品は22.0%で、動植物性油脂は35.5%、牛乳・乳製品は30.9%、食肉・肉製品は23.9%に上った。

農産物は22.3%高くなった。コーヒー生豆が56.6%、穀物が47.9%上昇。豚も3.9%増となり、4カ月連続で前年同月を上回った。

輸入物価指数は前月比では1.0%上昇した。エネルギーは5.9%増で、エネルギーを除いたベースでは0.3%低下した。

6月の輸出物価指数は前年同月を16.1%上回り、これまでに引き続き大きく上昇した。物価全体に占める比重が約3分の1に上る中間財が19.7%上昇し、水準を強く押し上げた格好だ。上げ幅は肥料・窒素化合物で143.7%、金属で28.9%に上った。輸出物価の前月比の上昇率は0.9%だった。

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