6月小売売上8.8%減少、物価高騰で統計開始後最大の下げ幅に

ドイツ連邦統計局が1日発表した6月の小売売上指数(営業日数・季節調整値)は物価調整後の実質で前月比8.8%減(暫定値)となり、統計を開始した1994年以降で最大の下げ幅を記録した。インフレ高進と、それに伴う消費者の支出抑制が反映された格好。小売売上は物価調整前の名目ベースでも0.8%減少しており、財布のひもがかなり固くなっていることがうかがわれる。

食料品店の売り上げは実質7.2%落ち込んだ。Eコマースの成長を背景に売り上げが長年、大幅に増えていた通販も15.1%減少し、過去最大の縮小となった。繊維・衣料品・靴・革製品販売店も10.1%減と振るわない。購入を先送りできる分野の商品は支出削減の対象になりやすい。

小売売上は前月比でも実質1.6%落ち込んだ。繊維・衣料品・靴・革製品販売店が5.4%、通販が3.8%、食料品店が1.6%の幅で後退した。

ガソリンスタンドは自動車燃料税が同月から引き下げられた効果で需要が伸びたことから、6.4%の売上増となった。ただ、燃料価格自体は高水準に達しているため、1年前に比べると需要が少なく、売り上げは前年同月を8.0%下回った。

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