乗用車新車登録5カ月連続2ケタ減、7月は-13%に

ドイツ連邦陸運局(KBA)が3日発表した7月の乗用車新車登録台数は20万5,911台となり、前年同月を12.9%下回った。2ケタ減は5カ月連続。半導体不足による生産低迷がこれまでに引き続き響いた格好だ。ロシアのウクライナ侵攻とそれに伴う物価の高騰などを受け新規受注に急ブレーキがかかっていることから、新車販売の不振は長期化する可能性がある。

1~7月は前年同期比11.3%減の144万3,996台へと後退した。新型コロナウイルス感染流行前の2019年1~7月に比べると34%(約73万7,900台)少ない。

7月の新車登録を動力源別でみると、電気自動車(BEV)は2万8,815台となり、前年同月を13.2%上回った。増加は2カ月ぶり。プラグインハイブリッド車(PHV)は21.4%減の2万3,712台、PHVを含むハイブリッド車(HV)は14.1%減の5万9,962台へと後退。内燃機関車はガソリン車が20.5%減の7万4,094台、ディーゼル車が11.3%減の4万1,386台だった。

シェアをみると、BEVは前年同月の10.8%から14.0%へと拡大した。HVは29.5%から29.1%へと低下。PHVは1.3ポイント減の11.5%だった。内燃機関車ではガソリン車が39.4%から36.0%に低下したのに対し、ディーゼル車は19.7%から20.1%へと上昇した。BEVとPHVの合計のシェアは25.5%、BEVとHVは同43.5%となっている。

走行1キロメートル当たりの新車の二酸化炭素(CO2)排出量は119.0グラムで、前年同月から3.1%減少した。環境対応車の販売比率増加を背景に低下が続いている。

部門別でみると、好調だったのは大型バン、大型車、ユーティリティーズ(ハイルーフコンビ、マイクロバス、ピックアップ)で、伸び率はそれぞれ40.0%、6.2%、6.1%だった。

主要3部門のシェアではトップのSUVが24.6%から27.4%へと拡大。コンパクトカーは18.0%から16.4%、小型車は14.5%から12.4%へと後退した。

主要ブランドのなかで増加率が最も大きかったのはBEV専門のテスラで、前年同月比142.1%増の1,184台を記録した。これにランドローバー(62.2%増の1,411台)、DS(43.8%増の322台)が続いた。

ドイツ車ではポルシェ(5.0%増の2,708台)が唯一、増加した。そのほかはアウディが7.3%減の1万6,260台、オペルが12.1%減の1万1,985台、BMWが15.4%減の1万7,288台、ミニが19.5%減の3,420台、VWが19.8%減の3万9,933台、メルセデスが23.0%減の1万6,520台、フォードが29.5%減の7,520台、スマートが85.0%減の189台だった。

日本車ではトヨタが3.9%増の6,912台となり、前年同月を上回った。スズキは3.2%減の1,934台、日産は8.8%減の1,803台、レクサスは33.2%減の143台、スバルは37.8%減の232台、三菱は44.8%減の2,047台、ホンダは44.8%減の413台、マツダは61.4%減の1,295台。

日本車以外の主な輸入ブランドはアルファロメオ(26.5%増の291台)、ダチア(23.5%増の5,716台)、セアト(9.2%増の9,428台)、ポールスター(4.9%増の194台)、ジープ(4.1%増の1,095台)、ジャガー(3.0%増の372台)、起亜(2.5%増の6,653台)、シュコダ(1.8%増の1万3,270台)が増加。現代(6.7%減の9,453台)、シトロエン(7.3%減の3,783台)、プジョー(21.7%減の3,762台)、ボルボ(26.6%減の2,618台)、フィアット(30.6%減の5,261台)、ルノー(43.1%減の4,146台)は減少した。

増減率は示されていないものの、上海汽車系のMGロエベは7月の新車登録が668台、浙江吉利とボルボの合弁リンク・アンド・コーは同512台に上った。

一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した7月の乗用車国内生産台数は26万3,400台となり、前年同月を7%上回った。増加は2カ月ぶり。VWは先ごろ、半導体不足が解消されつつあることを明らかにしており、メーカー各社の車両生産が改善してきた可能性がある。輸出台数も18%増の20万9,600台へと拡大した。1~7月は生産台数が前年同期比2%減の194万400台、輸出台数が3%減の146万5,500台だった。

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