ドイツ連邦統計局が10日発表した7月の消費者物価指数は前年同月比で7.5%上昇した。インフレ率はロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー価格の高騰、サプライチェーンのひっ迫、川上レベルの物価高騰を受け、これまでに引き続き高水準となったものの、政府が家計負担の軽減策を実施したことから、2カ月連続で低下した。
エネルギーの上げ幅は35.5%となり、前月の38.0%から縮小した。再生可能エネルギー助成分担金が7月に廃止されたことから、電力が3.9ポイント減の18.1%へと低下。自動車燃料税の引き下げ効果で同燃料も33.2%から23.0%へと下がった。
月9ユーロで全国の近距離公共交通機関を利用できる定期券が導入されたこともあり、交通費の上昇率は前月の8.3%から5.4%に低下した。燃料税減税と9ユーロ定期券導入直前の5月は同16.3%に上っていた。
エネルギーを除いたインフレ率は4.4%だった。
食料品の上げ幅は14.8%となり、5カ月連続で拡大した。食用油脂は44.2%、乳製品・卵は24.2%、食肉・肉製品は18.3%だった。エネルギーと食料品を除いた基礎インフレ率は3.2%と比較的低い。
サービスも上げ幅が前月の2.1%から2.0%に縮小した。9ユーロ定期券が奏功。近距離鉄道料金は前年同月を43.9%下回った。
上げ幅が大きかったのは修理・メンテナンス分野で、住宅では14.2%、自動車では6.7%に上った。
前月比のインフレ率は0.9%だった。季節柄、パック旅行で上げ幅15.2%を記録。食料品は同2.3%で、乳製品は9.2%に上った。
エネルギーでは家計負担軽減策の効果で自動車燃料が5.3%、電力が3.3%低下した。天然ガスは9.2%上昇した。
欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比が8.5%、前月比が0.8%だった。