エネルギー大手の独ユニパーは29日、政策金融機関のドイツ復興金融公庫(KfW)に融資枠の拡大を申請したことを明らかにした。同日に20億ユーロの融資を受けたことで、融資枠を使い切ったためだ。ロシアが天然ガスの供給削減を強めていることから、西欧のエネルギー市場で価格が一段と高騰。同市場で大量の代替調達を行うユニパーの資金需要が膨らんでいる。
同社は7月上旬、公的支援を申請した。ロシアからの天然ガス供給の大幅減を受けて調達コストが大きく膨らみ、資金繰りに懸念が出てきたためだ。調達価格が上昇しても、一定期間内は値上げできず、国内の顧客に契約で定められた量を供給しなければならないという事情がある。
独政府は同月下旬、ユニパーに総額150億ユーロの支援を行うことを決定した。KfWの融資はその中心をなすもので、総額は90億ユーロに上る。ユニパーは融資枠を使い切ったことから、今回40億ユーロの上乗せを要請した。