独砂糖大手ジュドツッカーのバイオ燃料子会社クロップエナジーズは19日、バイオエタノール生産能力の引き下げを検討すると発表した。エネルギー・原料価格の高騰を背景に欧州生産で採算の確保が難しくなっているため。今後数週間の市場動向を踏まえ決定を下す。個々の生産設備の一時的な稼働停止も視野に入れている。
同社によると、これまではコスト上昇分を価格に転嫁することができた。だが、最近はエネルギー・原料コストの低いブラジルと米国から欧州向けの輸出が増加。同地で市場価格が低下し、転嫁が難しくなっている。
クロップエナジーズではエネルギー価格の高騰前に結んだヘッジ取引の利益目減り緩和効果が年明け以降に弱まることから、生産調整を検討する必要が出てきた。特に英ウィルトンにある工場でコスト圧力が高い。同工場の生産能力はバイオエタノールが年40万立方メートル、副産物の乾燥飼料が35万トン、二酸化炭素(CO2)が最大25万トン。
同社はエネルギー集約型メーカーの支援と、欧州エタノール市場での公正な競争条件確保に向けた措置を政策当事者に要請している。
バイオエタノールはCO2の排出量を削減するため、自動車燃料に混合されている。