ドイツ連邦ネットワーク庁は9月29日、一般世帯と小規模事業者の天然ガス消費量が同月19~25日の週(2022年第38週)に大幅に増えたことを明らかにした。例年に比べ寒さが厳しかったことが原因だが、クラウス・ミュラー長官は、気温が今後さらに下がっても節約しなければ冬季にガス不足が発生すると強調。そうした事態を回避できるかどうかは個々人の取り組み次第だと述べ、使用量を可能な限り減らすよう呼びかけた。
ドイツのガス消費量に占める一般世帯/小規模事業者部門の割合は40%に上る。9月中旬までは同部門の使用量が18~21年平均を大幅に下回っていたが、第38週は14.5%上回る483ギガワット時(GWh)へと拡大した。国内消費の60%を占める大口産業顧客部門で30.3%減の1,170GWhへと後退したことから、国内の総使用量はこれまでに引き続き縮小している。
ドイツのガス備蓄率は91.50%に達した。一貫して上昇し続けている。ネットワーク庁は29日付のガス日報で、ロシア産ガスをバルト海経由で輸送するパイプライン「ノルドストリーム1」と「ノルドストリーム2」が、破壊工作が原因とみられるガス漏れでともに使用できない状態となっていることに言及。ノルドストリーム2はもともと稼働しておらず、ノルドストリーム1を通した輸送も9月初旬から停止しているため、ドイツ国内のガス供給に影響は出ないとの見方を示した。