ドイツ連邦陸運局(KBA)が3日発表した10月の乗用車新車登録台数は20万8,642台となり、前年同月を16.8%上回った。増加は3カ月連続。比較対象の2021年10月は半導体不足で生産が滞り新車販売水準が低かったという事情が大きい。コロナ禍前の19年10月に比べると新車登録数は26.7%少ない。
1~10月は前年同期比5.5%減の207万6,527台へと後退した。19年同期比では減少幅が31.3%に上る。
10月の新車登録を動力源別でみると、電気自動車(BEV)は3万5,781台となり、前年同月を17.1%上回った。増加は4カ月連続。プラグインハイブリッド車(PHV)は35.1%増の3万2,064台、PHVを含むハイブリッド車(HV)は33.5%増の6万8,533台。PHVは購入補助金が年末で打ち切られることから駆け込み需要が発生している。内燃機関車はガソリン車が3.1%増の6万6,676台、ディーゼル車が18.3%増の3万6,554台だった。
シェアをみると、BEVは前年同月と同じ17.1%にとどまった。HVは4.1ポイント増の32.8%、PHVは2.8ポイント増の15.4%へと上昇。内燃機関車はガソリン車が0.2ポイント減の32.0%、ディーゼル車が0.5ポイント増の17.5%だった。BEVとPHVの合計のシェアは32.5%、BEVとHVは同49.9%となっている。
走行1キロメートル当たりの新車の二酸化炭素(CO2)排出量は107.3グラムで、前年同月から4.1%減少した。環境対応車の販売比率増加を背景に低下が続いている。
主要3部門のシェアではトップのSUVが28.5%から29.3%へと拡大し、2位のコンパクトカーも16.9%から18.6%へと伸びた。これまで3位をキープしてきた小型車は12.5%から11.8%へと低下し、オフロード車(11.9%)に抜かれ4位に転落した。
主要ブランドのなかで増加率が最も大きかったのはポールスターで、230.2%増の1,073台を記録。DS(176.6%増の509台)とテスラ(116.8%増の3,185台)も3ケタ台の伸びを確保した。
ドイツ車ではアウディが94.8%増の1万7,228台、VWが45.9%増の4万1,159台と特に大きく伸びた。フォード(19.3%増の1万1,887台)とメルセデス(18.5%増の2万1,303台)も2ケタ増となっている。ミニは6.7%増の3,176台。BMW(13.9%減の1万5,032台)、ポルシェ(16.6%減の2,242台)、オペル(20.0%減の9,762台)、スマート(76.2%減の656台)は減少した。
日本車はトヨタが46.0%増の7,086台、マツダが35.2%増の3,438台、日産が35.2%増の2,095台と大きく伸びた。そのほかのブランドは大幅に減少。ホンダは28.6%減の583台、三菱は36.0%減の2,327台、スズキは44.4%減の806台、スバルは48.3%減の225台、レクサスは49.6%減の188台だった。
日本車以外の主な輸入ブランドではアルファロメオ(82.8%増の435台)、セアト(64.1%増の8,383台)、シュコダ(50.8%増の1万1,555台)、ダチア(29.7%増の4,026台)、ランドローバー(8.6%増の939台)、フィアット(5.0%増の5,664台)、ジャガー(1.1%増の187台)、現代(0.9%増の8,166台)が増加。起亜(4.1%減の5,656台)、ボルボ(11.6%減の3,320台)、シトロエン(11.9%減の2,140台)、ルノー(20.4%減の5,851台)、ジープ(22.8%減の912台)、プジョー(25.4%減の3,178台)は減少した。
増減率は示されていないものの、上海汽車系のMGロエベは2,032台、浙江吉利とボルボの合弁リンク・アンド・コーは同448台に上った。
一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した10月の乗用車国内生産台数は27万7,900台となり、前年同月を30%上回った。増加は6カ月連続。輸出台数も23%増の21万8,500台へと大きく拡大した。1~10月は生産台数が前年同期比10%増の279万2,900台、輸出台数が9%増の212万6,400台だった。