ドイツ機械工業連盟(VDMA)が15日発表した同国の1-9月期の機械輸出高は1,403億ユーロ(暫定値)となり、前年同期を4.0%上回った。エネルギー、原材料コスト上昇分の川下転嫁が反映されており、物価調整後の実質ベースでは2.8%減少した。7-9月期は479億ユーロで名目が5.2%増、実質が2.9%減だった。
1-9月期の名目輸出高の伸び率が最も大きかった主要仕向け先国は米国で、前年同期比19.4%増の179億ユーロに拡大した。ドル高ユーロ安で割安感が出ていることが大きい。上位10カ国のなかではこのほか、5位の英国(10.4%増の62億ユーロ)、9位のスイス(11.5%増の45億ユーロ)で2ケタ台の伸びを記録した。
中国は2.8%減の141億ユーロと振るわなかった。ゼロコロナ政策が響いている。ウクライナに侵攻し欧米の制裁を受けているロシアは44.4%減の23億ユーロと大きく落ち込んだ。
輸出に占める割合は米国が最も高く、12.8%に上った。2位は中国で10.0%、3位はフランスで6.6%だった。
輸出の伸び率が最も大きかった主要部門はプロセスプラントで、16.2%に上った。これに農業機械が9.1%、空調機械が8.8%、マテハン機器が8.0%で続いた。シェアは駆動装置が9.2%で最も多く、これに空調機械が7.8%、農業機械とマテハン機器が各7.6%で続いた。
1-9月期の輸入高は667億ユーロで、前年同期を名目10.5%上回った。実質でも2.4%増えている。主要輸入先10カ国のなかで伸び率(名目)が2ケタ台に達したのは中国(26.1%)、米国(23.0%)、ポーランド(14.3%)、チェコ(11.7%)、日本(11.4%)の5カ国。減少したのはオランダ(2.4%減)だけだった。
7-9月期の輸入高は219億ユーロで、前年同期を名目9.7%、実質0.9%上回った。