物品のネット通販市場が初めて縮小、コロナ禍需要の反動とエネ・物価高騰で

ドイツの物品ネット通販売上高(付加価値税を含む)が2022年は903億9,800万ユーロとなり、前年を8.8%下回ったことが、独電子商取引・通販全国連盟(BEVH)の発表で分かった。同売上の減少は初めて。20年と21年はコロナ禍を背景に感染リスクの小さい通販需要が大きく伸びており、その反動が出た格好だ。ロシアのウクライナ侵攻に起因するエネルギー価格の高騰と高インフレを受けて消費者が支出を抑制していることも響いた。コロナ禍直前の19年に比べると24.5%高い水準にある。

22年の減少幅が最も大きかった商品部門は靴で、前年比16.6%減の45億5,000万ユーロに落ち込んだ。これに衣料品(12.8%減の167億9,600万ユーロ)と書籍・電子書籍・オーディオブック(12.8%減の39億2,200万ユーロ)が同率で続く。電子・通信機器(12.5%減の143億8,300万ユーロ)、DIY用品・花(12.2%減の29億7,700万ユーロ)、コンピューター・付属品・ゲーム・ソフト(11.2%減の72億9,300万ユーロ)、家具・電灯・装飾品(10.1%減の59億400万ユーロ)も減少幅が2ケタ台に達した。

一方、サービスのネット通販売上高は39.9%増の112億5,400万ユーロと大きく伸びた。20年と21年はコロナ規制で旅行やコンサートチケットなどの需要が激減。22年は規制緩和で需要が戻ってきた。ただ、19年に比べると42.2%も少なく、回復はしきれていない。

ファックスや手紙で注文する伝統的な形式を含めた通販全体(物品とサービス)の売上高は1,026億8,500万ユーロで、前年を5.2%下回った。

今年は物品のネット通販売上高が4.8%増の947億ユーロとなり、拡大に転じると予想している。

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