ドイツ連邦ネットワーク庁は2日、国内の天然ガス備蓄率が1日時点で78.6%だったことを明らかにした。法律で定められた同日の許容下限(40%)の約2倍という高い水準で、同庁は「この冬にガス不足状況に陥ることはほぼあり得ない」との見方を示した。それと同時に、2023~24年冬季は長年強く依存してきたロシア産ガス抜きで備蓄を確保しなければならないことを踏まえ、世帯や企業に消費量を引き続き抑制するよう呼びかけた。
政府はロシアのウクライナ侵攻を受け昨年、備蓄制度を導入した。ガス貯蔵事業者に毎年9月1日時点で容量の75%以上、10月1日時点で85%以上、11月1日時点で95%以上の確保を義務付けている。事業者は暖房シーズンが半ばを過ぎた2月1日時点でも最低40%を保持していなければならない。
22~23年冬季は12月中旬に寒波が到来したものの、これまでのところ全般的に気温が高い。需要家が省エネに努めていることもあり、天然ガスの消費量が比較的少なく、備蓄率は高水準を保っている。
23年第4週(1月23~29日)の天然ガス消費量は18~21年同週平均に比べ8.6%少なかった。気温が1.3度低かったことを加味した実質ベースでは低下幅が14%に上っている。ただ、ドイツは消費量を20%削減しなければ計算上、ガス不足に陥るリスクがあることから、ネットワーク庁はさらなる節制を呼びかけている。