BMW―CO2大幅削減のアルミをリオ・ティントから調達―

高級乗用車大手の独BMWは21日、生産過程で排出される二酸化炭素(CO2)の量を大幅に削減したアルミニウムを英・豪系資源大手リオ・ティントから調達することで基本合意したと発表した。サプライチェーンでのCO2排出削減を図る方針に基づく措置。同社はCO2排出量が多いアルミ、鉄鋼、プラスチックなどの調達で排出削減を重点的に進めている。

リオ・ティントはカナダのケベック州で従来品に比べCO2排出量が約70%少ないアルミを製造し、BMWに供給。BMWはこれを米スパータンバーグの車両工場で使用する。

アルミ生産に際しリオ・ティントは水力発電由来の電力を使用するほか、再生アルムを最大50%投入する。また、アルミ製錬工程ではCO2を直接排出しない「ELYSIS」という技術を用いる。

BMWが同社から調達するアルミはブロックチェーン技術を通してトレーサビリティが確保される。これにより、ボーキサイト鉱山で環境・労働基準が順守されるかどうかを確認できる。

カナダのフランソワフィリップ・シャンパーニュ技術革新・科学・産業相は今回の両社の合意を歓迎するとともに、「カナダは我が国の競争力を高め、“メイド・イン・カナダ”のイノベーションを支援するため、競争上の強み~豊潤な鉱物資源、質の高い労働力、クリーンなエネルギー、市場への近さ~を一段と強化してく」と述べ、産業力の向上に意欲を示した。