化学大手の独BASFは2月22日、使用済みのリチウムイオン電池からリチウムを効率的に再獲得する技術の開発でイスラエル企業テノバ・アドバンスド・テクノロジーズ(TAT)と協業すると発表した。年内にもパイロット設備を独東部のシュヴァルツハイデにあるBASFの拠点に設置し運転を開始する。
リチウムは同電池に必要不可欠な材料であるにもかかわらず、これまでのリサイクルではニッケルとコバルトの再獲得に照準が定められ、リチウムは視野に入っていなかった。最近はバージン資源の不足と価格高騰、二酸化炭素(CO2)の排出削減効果を背景にリチウムを取り出すことにも関心が集まっている。独リサイクル企業アキュレックは使用済みのリチウムイオン電池からリチウムをリサイクルする施設を今春にも稼働させる予定だ。
TATは金属産業のグリーン化に向けたソリューションを手がける企業。同社の技術を用いることでBASFは水溶液を用いて金属を分離する湿式精錬のリサイクリング法を最適化する意向だ。