独カーシェアリング業界団体BCSは2月28日、カーシェアリングサービスの利用者数(登録者数ベース、複数のサービスに登録している人がいるため重複あり)が今年1月1日時点で447万2,800人となり、前年同日を31.8%上回ったと発表した。利用者はコロナ禍1年目の2020年に減少したものの、その後は以前のような急増が続いている。グンナール・ネールケ事務局長は、カーシェア利用者は自転車と公共交通機関の利用度が高く、自動車の利用は必要な場合に限られることが多いと指摘。カーシェアの利用拡大は乗用車の温室効果ガス排出削減につながると強調した。
カーシェア車両台数は12.4%増えて3万3,930台となった。電気自動車(BEV)とプラグインハイブリッド車(PHV)の割合は20.5%で、国内乗用車保有台数に占めるBEV・PHVの割合(3.3%、22年10月1日時点)を大きく上回っている。ただ、1年前の22年1月1日(23.3%)からは低下した。これについてナールケ氏は、国の充電インフレ助成策がマイカー向けに偏りカーシェアに適した充電機は現在、助成対象となっていないと指摘。充電インフラ不足を受けカーシェア事業者はBEVなどの購入を抑制しているとの見解を示した。
カーシェアサービスが提供されている基礎自治体は15.7%増の1,082カ所に拡大した。人口10万人以上の大都市は73カ所で、同カテゴリーの都市の91.3%で提供されている。人口5万人以上~10万人未満では同比率が74.3%、2万人以上~5万人未満では48.9%と低く、2万人未満では6.7%にとどまった。人口が少ない地域ではマイカーの普及率が高いことから、ニーズが低い。
カーシェア事業者数は249社に上った。そのうち、指定した区域内であれば借受・返却の場所を選ばず自由に利用できる純粋な「フリーフロート」型は4社にとどまる。残り245社はステーション型(フリーフロートも行う混合型サービス事業者を含む)となっている。
車両数をみると、フリーフロート型事業者は計1万8,570台と全体の55%を占めた。利用者数もフリーフロート型が356万5,220人に上るのに対し、ステーション型は90万7,580人にとどまった。
カーシェア事業者のなかには予約・決済プラットホームを競合に開放する企業もある。最大手はカンタメン(cantamen)で国内の47社が利用。これにフリンクスター(Flinkster)が31社、カンビオ(cambio)が12社で続く。