テネット―交直変換所をシーメンスEなどに発注―

送電大手の蘭テネットは20日、北海の洋上風力発電パーク3カ所を陸上の送電網と連結するプロジェクトに絡んで、洋上・陸上の交直交換所と関連インフラを独シーメンス・エナジー(SE)と西ドラガドス・オフショアの企業連合に発注したことを明らかにした。テネットは北海のパークと陸上を結ぶ計14本の送電線を敷設する計画。このうち11本についてはすでに交直交換所などの発注先が決まっていたことから、SE/ドラガドス連合との今回の取引により発注が完了したことになる。

欧州連合(EU)に加盟するドイツ、オランダ、ベルギー、デンマークの首相と欧州委員会のフォンデアライエン委員長は昨年5月、デンマーク南西部のエスビアウで会談し、北海の洋上風力発電拡大に向け協力することで合意した。洋上風力発電容量を2030年までに計65GW以上に拡大することを目指す。

テネットはこれに絡んで、計14件の洋上風力発電プロジェクト用の交直交換所などを対象とする入札を昨年8月に開始。このうち6件を日立エナジーと英ペトロファックの連合、3件を米ゼネラルエレクトリック(GE)とシンガポールのセムコープ(SMOP)の連合、2件をGEと米マクダーモットの連合に発注することを3月末に発表していた。

SE/ドラガドス連合が受注した残り3件はすべてドイツで実施されるプロジェクト(「BalWin3」「LanWin2」「LanWin4」)向けで、SEは開閉装置、変圧器、コンバーターなどを提供。ドラガドスは建設・設置を引き受ける。電力容量は計6ギガワット(GW)で、受注高は70億ユーロ弱に上る。

上部へスクロール