自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)が16日に発表した5月のグループ新車販売台数は76万3,800台となり、前年同月を16.0%上回った。販売増は4カ月連続。部品供給の改善で受注の消化が進んだことが大きい。コロナ禍前の2019年5月(91万8,900台)に比べると約17%少なく、かつての水準には依然として程遠い。
南米(4.8%減の4万400台)を除くすべての地域で販売が増加した。足元の西欧が21.6%増の27万5,200台、中東欧が30.9%増の4万6,400台と好調だった。北米は9.2%増の8万300台、国別で最大市場の中国は11.9%増の26万200台、中国以外のアジア太平洋は16.5%増の3万台、中東・アフリカは41.2%増の3万1,200台となっている。
ブランド・グループ別でみると、大衆車(ブランド・グループ・ボリューム)は15.0%増の54万3,900台に拡大した。主力のVWブランド乗用車は10.5%増の39万1,700台、シュコダは34.8%増の7万4,700台、セアト/クプラは6.8%増の4万2,800台、VWブランド商用車は51.0%増の3万4,800台だった。
高級車(ブランド・グループ・プレミアム)は19.5%増の16万3,700台で、主力のアウディは19.9%増の16万3,700台。ポルシェを対象とするスポーツ車(ブランド・グループ・スポーツ)は21.9%増の2万9,600台だった。
商用車子会社トレイトンは2万6,600台で、11.1%増えた。MANが69.5%増の9,400台とこれまでに引き続き高い伸びを記録。スカニア(9.5%増の7,700台)とナビスター(10.6%増の7,300台)も好調だった。VWトラック&バスは52.0%減の2,300台とこれまで同様、振るわない。
1~5月のグループ販売台数は352万4,600台で、前年同期を14.7%上回った。すべての地域で増加。西欧は26.1%増の132万5,400台、東欧は9.0%増の20万4,400台、北米は16.2%増の37万5,400台、南米は18.7%増の17万8,000台、中国は2.8%増の116万500台、中国以外のアジア太平洋は12.5%増の13万8,500台、中東・アフリカは30.8%増の14万2,600台へと拡大した。
ブランド・グループ別では大衆車が13.6%増、高級車が16.3%増、スポーツ車が18.8%増、トレイトンが23.5%増だった。