企業の輸出や国外事業に伴うリスクをドイツ政府が保証するヘルメス信用保険が対ロシア事業で適用外となった。ロシアのウクライナ侵攻を受けた措置で、広報担当者は『ハンデルスブラット』の問い合わせに「ロシア向けのヘルメス保証と投資保証への同意は当面、凍結される」と回答した。欧州連合(EU)の対露制裁リストに載っていない製品であっても同国への輸出のハードルは大幅に高くなった。
ドイツ政府はリスクの大きい輸出や国外プロジェクトを行う自国企業に対し、民間企業ユーラーヘルメスを通して貿易保険(ヘルメス貿易保険)を提供している。これにより企業は売掛金の回収不能や現地資産の国有化・戦争被害といったリスクを大幅に軽減できることから、輸出や国外事業を行いやすくなる。政府は損失の85~95%を引き受ける。資金力の低い中堅企業にとって必要不可欠な制度だ。昨年上半期には対露輸出で計8億2,000万ユーロの保証を引き受けた。