ドイツ連邦統計局と連邦経済省が8日発表した3月の鉱工業生産指数(2015年=100)は物価調整後の実質に季節・営業日数を加味したベースで前月比3.4%減の97.8(暫定値)となり、22年3月以来1年ぶりの大きな下げ幅を記録した。同指数の悪化は3カ月ぶり。3月は製造業新規受注も大幅に落ち込んでおり、景気の先行きに懸念が出ている。
鉱工業生産を部門別でみると、製造業は3.3%落ち込んだ。投資財が4.4%減、中間財が3.5%減と特に大きく下落。消費財も0.1%低下した。
エネルギー業は0.8%増えたものの、企業・世帯が省エネに務めていることもあり指数は79.8と極めて低い水準にある。
建設業は4.6%減だった。
主要産業の自動車・自動車部品は6.5%減と大きく後退した。機械も3.4%減少している。ガラス・ガラス製品・セラミック6.5%減、金属製造・加工は4.0%減、製紙は3.4%減、化学品は2.0%減だった。コークス・石油加工品は1.5%増えた。
エネ集約型産業は平均で3.3%減少した。前年同月に比べると12.9%低い。比較対象の22年3月はウクライナ戦争が始まっていたものの、エネ集約型産業への影響はまだ比較的小さかった。
1~3月の鉱工業生産は前期比で1.8%増えた。1月と2月が好調だったことからプラス成長を保った。
2月の鉱工業生産は当初の前月比2.0%増から2.1%増へと上方修正された。