実験機器のザルトリウスが人員削減

医薬品製造や実験室用機器の有力メーカーである独ザルトリウスは21日の決算発表で、年初からこれまでに従業員の5.6%に当たる約900人を整理したことを明らかにした。コロナ特需の反動で需要が減少していることを受けた措置。ヨアヒム・クロイツベルク社長は、顧客企業はコロナ禍の最中に大幅に積み増した在庫を現在、削減していると指摘したうえで、「新規受注の低迷は当初の予想より長引いている」と述べた。

コロナ禍前の雇用規模は9,000人だった。同社は特需に対応して生産を拡大するため、これを1万6,000人に増やしていた。人員削減は希望退職を通して行ったとしている。

2023年6月中間期の新規受注高は14億4,960万ユーロとなり、前年同期を33.2%下回った。売上高は15.8%減の17億3,520万ユーロ、営業利益(EBITDA)は25.9%減の5億1,670万ユーロで、売上高営業利益率は前年同期の33.9%から29.8%へと低下。純利益は49.4%減の1億8,810万ユーロへと半減した。

クロイツベルク氏は遅くとも第3四半期後半から新規受注が拡大に転じるとの見方を示した。顧客の在庫が底を突くとみている。

売上高を25年までにコロナ禍前(19年)の3倍の55億ユーロに拡大するとした目標は据え置いた。

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