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2023/7/26

ドイツ経済ニュース速報

エネ大手ユニパーが国の支援の返済を検討へ

天然ガス価格の急騰に伴う資金繰りの悪化を受けて昨年末に国有化された独エネルギー大手ユニパーは25日、国から受けた支援の返済を検討すると発表した。2023年上半期の業績が極めて良好だったため。23年12月期も巨額利益の計上を見込んでいる。 ユニパーはドイツ最大の天然ガス輸入会社。ガスの大半をロシア国営のガスプロムから長期契約に基づいて調達してきたが、ウクライナ戦争に伴う欧米の制裁への報復措置としてガスプロムが供給を縮小・停止したことから、ユニパーは極めて割高なスポット市場でのガス購入を余儀なくされ、財務が急速に悪化した。ユニパーが経営破たんするとドイツのエネルギー供給に大きな支障が出ることから、政府は同社を国有化し、総額130億ユーロ強の資金を注入した。 ユニパーの業績は今年に入って好転している。上半期の営業利益(EBIT、調整済み)は37億100万ユーロとなり、前年同期の赤字(7億5,700万ユーロ)から大幅に改善した。石炭・ガス発電とガス輸送事業分野の先渡取引がプラス効果を発揮していることが大きい。調整済みベースの純損益も4億9,000万ユーロの赤字から24億8,700万ユーロの黒字へと転換した。 23年12月期も営業利益と純利益がともに数十億ユーロ規模に達すると予想している。