自動車部品大手の独コンチネンタルが最大の事業部門であるオートモティブの再編を検討しているもようだ。CASEと呼ばれる自動車業界の大変動に対応しきれず、赤字が続いているためで、ヴォルフガング・ライツレ監査役会長は解決策を模索しているという。『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』紙が24日、報じた。
オートモティブは自動車向けの電子部品、ソフトウエア、センサーを手がける部門。同社売上全体の約半分を占めるものの、赤字が続いており、2023年6月中間期も営業赤字(EBIT、調整済み)3,200万ユーロを計上した。タイヤ部門が好調なことから、コンチネンタルは利益を確保している。
タイヤ部門がオートモティブ部門を支えるこうした状態に対しては市場から批判が出ており、経営陣は抜本的な対策を打たざるを得ない状況だ。金融業界の情報としてFAZ紙が報じたところによると、コンチネンタルは個々の製品グループや技術分野での提携、オートモティブ部門全体の合弁化や売却など様々な選択肢を検討。社内外の意見を聴取し始めた。
ライツレ氏は現在74歳で、来年5月の任期満了に伴い退任する意向を示している。それまでに再編計画をまとめ上げたい考えとみられるが、実現できるかどうかはコンチネンタル株およそ46%を持つ軸受大手シェフラーの判断にかかっているという。従業員の間にはすでに、再編に伴う工場閉鎖や人員削減への懸念が広がっている。