ドイツ連邦統計局と連邦経済省が9日発表した8月の鉱工業生産指数(2015年=100)は物価調整後の実質に季節・営業日数を加味したベースで前月比0.2%減の95.7(暫定値)となり、4カ月連続で落ち込んだ。エネルギーと建設業で低下し、全体が押し下げられた。経済省は8月の新規受注が増加し、景況感もわずかに改善したことを受け、製造業の景気は底を打ったとの見方を示した。
製造業の生産指数は0.5%増となり、2カ月ぶりに拡大した。投資財が1.3%、中間財が0.5%の幅で増加している。消費財は1.4%減少し、2カ月連続で落ち込んだ。
エネルギーは6.6%減と大幅に低下した。指数は63.8と、基準値の15年(100)を36%以上、下回っている。70を割り込むのは4カ月連続だ。前年同月に比べると24.7%低い。
建設業は2.4%減となり、2カ月ぶりに縮小した。指数は110.7と15年の水準を10%以上、上回っている。
主要産業をみると、自動車・自動車部品は7.6%増と大きく上昇した。過去2カ月は大幅減となっており、その反動が大きい。家具(11.5%増)と繊維(6.4%増)も伸び率が大きかった。機械は2.3%減少した。
エネルギー集約型産業は0.9%増えた。化学と金属製造・加工がともに1.8%増加。コークス・石油加工品は伸び率が7.1%に達した。製紙は0.7%落ち込んでいる。エネ集約型産業は前年同月比では8.3%減少した。
鉱工業生産を特殊要因による統計のブレが小さい3カ月単位の比較でみると、6~8月は前の期の3~5月を1.9%下回った。
7月の鉱工業生産は当初の前月比0.8%減から0.6%減に上昇修正された。