高圧直流送電線「Aノルト」が着工、ケーブルは住電などが供給

ドイツ北西部のメッペンで23日、高圧直流送電(HVDC)線「Aノルト」の敷設工事が始まった。着工は当初計画を7カ月前倒しするもので、鍬入れ式に出席したロベルト・ハーベック経済相は「とても良い知らせだ。というのも、送電網拡張の加速は(従来型電力から再生可能エネルギー電力への転換を目指す)エネルギー転換政策、ひいては経済立地ドイツの成功にとって重要であるためだ」と満足感を示した。

Aノルトは北海に面するエムデンとノルトライン・ヴェストファーレン州オステラートを結ぶ総延長300キロメートルの送電線。オステラートからはさらに別のHVDC線を通して西南ドイツまで電力が送られることになっている。風力の強い北部地域で発電した再生エネ電力を需要地の南部と西部に送るHVDC線を迅速に拡充することはエネルギー転換政策を成功させるうえで重要な課題だ。

Aノルトの着工は2024年5月を予定していた。これを前倒しできたのは、インフラプロジェクト全体に対する行政の計画確定決定が下される前であっても、プロジェクトの認可が見込まれる場合は着工できるルールが7月の法改正で導入されたためだ。ハーベック氏は同ルールの導入に向けて注力してきた。

Aノルトは3年後に完成する見通し。住友電工は伊プリズミアンとともにHVDCケーブルシステムを20年に受注した。設計、製造・輸送・布設工事、竣工試験、保守を担当する。

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