BASFが本社所在地で10億ユーロの追加コスト削減

化学大手の独BASFは23日、同社最大の総合生産施設(フェアブント拠点)がある本
社所在地ルートヴィヒスハーフェンで追加コスト削減策を実施すると発表した。マ
ルティン・ブルーダーミュラー社長は、市場環境が厳しかった2023年に「わが社の
チームはすべての主要国で、絶対数において利益に貢献した。ドイツを除いては」
と指摘。ルートヴィヒスハーフェン拠点は大きな足かせになっているとして、競争
力強化に向けた追加措置を行うと明言した。
同拠点については昨年2月、生産施設の統廃合を通して26年末までに年コストを2億
ユーロ以上、圧縮する方針を打ち出した。従業員700人が影響を受けるとしてい
た。
今回表明した追加策は生産以外の分野も対象としている。事業効率の向上を通した
固定費の圧縮や過剰生産能力の削減を実施。26年までコストをさらに10億ユーロ引
き下げる。ミュラー氏は追加の人員削減も行うことを明らかにした。
同日発表した23年12月期決算の営業利益(EBITDA、調整済み)は76億7,100万ユー
ロとなり、前期を28.7%下回った。エネルギー価格の高騰や世界経済の低迷を背景
に6部門中4部門で利益が大幅に縮小。増益は農業ソリューション(17.7%増)と表
面技術(3.8%増)だけだった。売上高は689億200万ユーロで、21.1%減少した。
純損益は前期の赤字(6億2,700万ユーロ)から2億2,500万ユーロの黒字に転換した
ものの、アナリスト予想平均(22億4,700万ユーロ)の10分の1にとどまった。
24年12月期はEBITDA(調整済み)で80億〜86億ユーロを見込む。フリーキャッシュ
フローについては、中国投資の関係で前期の27億ユーロから「1億〜6億ユーロ」に
縮小すると予想している。

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