送電インフラ放火でテスラ工場の操業停止、極左が犯行声明

独ベルリンの南東およそ30キロに位置するゴセン=ノイ・ツィッタウ村で5日早朝、
送電用の鉄塔1本が燃え、周辺の広い地域で停電が発生した。現場から約10キロ離れ
た米自動車大手テスラの工場も操業停止を余儀なくされている。警察は放火とみて捜
査を進めている。ブルカングルッペ(火山グループ)という名の極左集団が犯行声明
を出した。
近隣のグリュンハイデ村に工場を持つテスラは工場拡張を計画している。用地は森林
を伐採して確保する考え。その是非を問う住民投票が2月中旬に実施され、反対が過
半数に達した。投票結果に拘束力はなく、拡張を認めるかどうかは村議会で決定す
る。
拡張に反対する環境活動家およそ80〜100人は2月末以降、森林を一部占拠し、抗議活
動を展開している。これらの活動家がブルカングルッペに関係しているかどうかは定
かでない。
ブルカングルッペは同日、「我々は本日、破壊活動を行った」との声明をインター
ネットで発表した。テスラを「大地と資源、人間、労働力を食い物にし、その代謝と
して週に6,000台のSUV、殺人機械、モンスタートラックを吐き出している」と批判。
「ギガファクトリーの完全破壊」を要求した。同グループは2021年にも、放火により
テスラ工場の建設を妨害しようとした疑いが持たれている。
同社の工場では今回の停電を受け、従業員を退避させるとともに、生産設備の安全を
確保するための措置を取った。速やかな操業再開は難しいとみている。
地元ブランデンブルク州のディートマール・ヴォイトケ首相は、「重要インフラへの
攻撃はテロリズムの一形態だ」と批判した。

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