ディスカウントストア大手の独アルディ・ジュドは8日(ドイツ時間)、米国で店
舗数の拡大を加速すると発表した。顧客のニーズを踏まえたもので、現地子会社ア
ルディUSのジェーソン・ハート社長は「当社の成長は近所にアルディの店舗開設を
求める全国の顧客の要望が原動力となっている」と述べた。インフレを背景に低価
格品のニーズが高まっていることを追い風として活用する意向だ。
同社はこれまで、米国の店舗を年100カ所強のスピードで増やしてきた。今後は90
億ドルを投じ5年間で800カ所(年平均160カ所)を追加する。新設のほか、買収を
活用する。総店舗数は3,200カ所に拡大する見通しだ。
アルディ・ジュドは昨年8月、米スーパー大手サウスイースタン・グローサーから
傘下ブランドの店舗を譲り受けることで合意したと発表した。グローサーが「ウィ
ン・ディキシー」、「ハーヴェイズ」のブランドで展開する店舗およそ400カ所を
取得する。取得する店舗の多くを「アルディ」ブランドに改める意向で、まずは今
年下半期に50店舗を改称する。
同社は1976年に米市場進出を果たした。食品小売市場シェアは2%(22年)。独競
合リドルも2017年に同市場に参入したものの、店舗数は約170カ所にとどまる。