BASFの石油・天然ガス事業、売却手続きが完了

独化学大手BASFは3日、石油・天然ガス採掘子会社ヴィンタースハル・デーエーアー
の事業の大半を英石油・天然ガス大手ハーバー・エナジーに売却する手続きが完了し
たと発表した。同取引の対象外であるロシア絡みの国際E&P(探鉱・開発・生産)事
業についても同日付で法的な分離が行われており、同社は石油・天然ガス事業からの
撤退に向けた決定的な一歩だとしている。
ヴィンタースハル・デーエーアーはBASFの完全子会社だった独ヴィンタースハルと、
独同業デーエーアー(DEA)が2019年5月に合併して設立した企業。BASFは株式72.7%
を保有しているものの、合併当初から売却を模索してきた。同子会社にはロシアの資
産家ミハイル・フリードマン氏が運営する投資会社レターワンが残り27.3%を出資し
ている。
今回の取引ではロシア絡みの事業を除くヴィンタースハル・デーエーアーのE&P事業
などを112億ドルと評価してハーバーへの譲渡が行われた。取引は現金とハーバーの
新株を組み合わせて実施。現金は21億5,000万ドル、新株はハーバー株全体の54.5%
を占めた。BASFの取り分はそれぞれ15億6,000万ドル、39.6%だった。BASFは取得し
たハーバー株を今後数年かけて段階的に売却していく。
ハーバーはヴィンタースハル・デーエーアーがノルウェー、アルゼンチン、ドイツ、
メキシコ、アルジェリア、リビア(一部)、エジプト、デンマーク(一部)で展開す
るE&P事業と二酸化炭素(CO2)の分離・貯蔵(CCS)ライセンスを取得した。

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