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東欧経済の好調続く、今年も3.1%成長=WIIW予測

2018年3月21日発行 No.1057号

ウィーン国際経済比較研究所(WIIW)が13日発表した春季経済予測によると、東欧22カ国の経済はほぼ頂点に達したものの、今年も好調が続きそうだ。世界経済が景気拡大局面にあることが追い風になっている。ただ、米国の関税率引き上げ措置で貿易戦争が懸念されることや、世界の中央銀行が金融緩和から引き締めに転換する方向であることなど、景気を後退させるリスクが存在するのも確かだ。

2017年は10年ぶりに東欧22カ国すべてで国内総生産(GDP)が増加した。地域全体の成長率も3.7%と過去6年で最高を記録した。今年は3.1%へやや減速するものの、好調が続く見通しだ。

東欧全体としては、ほぼ景気の頂点に達したとみられるが、中には今年も高成長が予測される国もある。東欧の欧州連合(EU)加盟国は今年、平均3.9%、中でもルーマニアは4.7%の高い伸び率が見込まれる。低調が続いた南東欧諸国でも3.3%と景気が加速する見通しだ。一方で、旧ソ連の4カ国は2%と遅れをとる。昨年6.5%を記録したトルコは4.5%へ減速する。現在のところ、景気過熱の懸念はないが、例外的にルーマニアではリスクが高まりつつある。

インフレ率はほとんどの国で低い。投資は実質経済成長率よりも大きく増加するとみられる。

人手不足が問題となっている労働市場では、ウクライナからの大量移住のおかげで国によっては問題が緩和している。賃金は、製造業を中心にほとんどの国で上昇したが、生産性向上、高品質・安定供給といった非価格競争力の強化が上昇分を相殺する以上の効果を示し、国際競争力の低下には至っていない。

金融業界は数年前に比べ、ずっと安定している。金融危機以前は、企業が多額の資金を借り入れ、外国資本へ依存する傾向が強かったが、最近では珍しくなっている。このため、長期的にみると、過去に比べて銀行の貸し出し伸び率は穏やかに推移する。

リスクとしては、◇貿易戦争の懸念◇主要国の中銀が金融引き締めに転換した際に、東欧諸国がうまく資金調達していけるか◇債務比率の高い政府や企業の存在◇EU内の対立の先鋭化◇いくつかの国で政府による国家機関の独立性侵害が進行◇ウクライナ紛争◇ユーロ圏の新たな債務危機◇中国の金融危機――などが挙げられる。

西欧との収入格差は今後も縮小する。ただ、多くの国で人口が減少しているのは懸念材料だ。また、付加価値の小さい特定の製品群に経済が特化することで、いつまでたっても外国の「下請け業者」という立場から抜けられなくなるリスクもある。

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