独高級乗用車3社の2016年1-3月期(第1四半期)販売統計が12日までに出そろった。3社ともこれまでに引き続き過去最高を更新。特にダイムラーの乗用車ブランド「メルセデス・ベンツ」は前年同期比12.6%増の48万3,487台と大きく拡大し、競合BMW、アウディを抜いて高級車トップに躍り出た。
メルセデス・ベンツの販売実績を地域別でみると、伸び率が最も大きかったのはアジア・太平洋で24.4%増の17万2,246台を記録。最大市場の中国では36.4%増の10万6,641台と特に大きく拡大した。日本は1万7,601台で、6.3%減少した。
欧州も12.4%増の21万586台と好調で、ドイツ本国は7.9%増の6万4,846台だった。
北米(NAFTA)は0.9%減の8万7,893台と振るわなかった。主力の米国が3.1%減の7万5,769台に落ち込んで足を強く引っ張った格好だ。
メルセデス・ベンツに超小型車ブランド「スマート」を加えた「メルセデス・ベンツ・カーズ」の乗用車販売台数は51万8,940台で、13.2%増加した。スマートは23.3%増の3万5,453台だった。
BMWブランド単体の第1四半期の販売台数は6.0%増の47万8,743台で、メルセデス・ベンツを4,700台以上、下回った。BMWにミニとロールスロイスを加えたグループ全体の販売台数は5.9%増の55万7,605台で、これまでに引き続きメルセデス・ベンツを上回っている。ミニは5.4%増の7万8,311台、ロールスロイスは29.4%減の551台だった。
BMWとミニの合計販売台数を地域別でみると、アジアは10.5%増の18万2,982台だった。中国は10.5%増の12万7,105台と好調で、韓国は15.0%増の1万4,465台に拡大した。日本は8.9%増の1万8,668台だった。
欧州は9.5%増の25万6,973台に拡大した。主要市場ではスペイン(22.7%増の1万3,839台)、フランス(10.7%増の2万811台)、英国(10.6%増の5万9,121台)で2ケタ台の伸びを記録している。
南北アメリカ大陸は8.6%減の10万81台で、米国は10.8%減の8万1,452台だった。
アウディの第1四半期販売台数は45万5,750台で、4.0%増加した。足元の欧州が7.3%増の22万2,350台と好調で、全体をけん引。イタリア(17.4%増の1万4,784台)、スペイン(13.7%増の1万4,012台)、ドイツ(11.0%増の8万1,263台)は2ケタ増となった。中国は4.7%増の13万9,540台、米国は4.6%増の4万1,960台だった。
世界販売に占める中国の割合が最も高いのはアウディで、30.6%に達した。BMWグループは22.8%、メルセデス・ベンツは22.1%だった。