ドイツ政府は13日の閣議で、「デジタル記録不正操作防止法案」を承認した。違法なソフトウエアを用いてレジの売上記録を操作し脱税を行う小売店などの増加を受けた措置で、レジ用ソフトの認証取得を義務づけるほか、税務署によるレジの抜き打ち検査も導入するという内容。連邦議会(下院)と連邦参議院(上院)の可決を経て施行される。
レジシステムの製造元は小売店などの顧客にしばしば、売上記録を事後的に修正できるソフトを提供している。同ソフトを使うと売上記録を操作して額を引き下げることができる。
そうしたソフトはゲームソフトに組み込んだり、インターネットやUBSスティックで提供するため、税務当局が見つけることは難しい。
政府は不正ソフトを用いた脱税を防止するため、レジ用ソフトの規格を連邦情報技術セキュリティ庁(BSI)が制定するルールを法案に盛り込んだ。レジの製造元には同規格に合致したソフトを作成したうえでBSIの認証を得ることを義務づける。製造元に対しては2019年末まで猶予期間を認めるため、認証ルールは20年から適用されることになる。また、BSI認証ソフトをインストールできない旧式レジについては22年末まで利用が認められる。
レジの抜き打ち検査は小売店などの不正を抑制・防止するために実施する。不正が摘発された企業は最大2万5,000ユーロの罰金を科される。