上海電気集団が独ブローチェ買収、航空機分野に本格参入

中国国有重電大手の上海電気集団は14日、航空機製造設備の独ブローチェ・オートメーションを約1億7,000万ユーロで買収すると発表した。上海電気はブローチェの負債1,200万ユーロも引き受ける。自動化ラインなどの開発・製造で定評のあるブローチェの買収により、上海電気は成長が見込まれる航空機製造の分野に本格参入する。

ブローチェは1979年の設立で、欧州の航空機大手エアバス・グループや米ボーイングなどを取引先に持つ。2015年9月期決算は売上高が1億4,360万ユーロ、EBIT(利払い前・税引き前利益)は530万ユーロ。

上海電気は原子力発電設備や産業用ロボットなどを中核とする重電メーカー。同社は事業の多様化を推進して成長分野への投資を加速させており、今年2月には太陽電池やスマートフォンなどの製造装置を手掛ける独マンツに29.9%出資している。

中国では6月、初の国産ジェット旅客機「ARJ21」が商用運航を開始した。中国政府は国内利用だけでなく、輸出も視野に入れており、これまでにアフリカや東南アジア諸国から受注したとされる。上海電気集団は今回の買収でブローチェの高い技術力を取得し、航空機分野を新たな事業の柱にしたい考えだ。

上部へスクロール