州政府の代表で構成される連邦参議院(上院)は23日、子育てや介護を理由に勤務時間を減らす被用者に本来の勤務時間へと復帰する権利を認める法案(パートタイム・有期雇用法改正案)を可決した。同法案はすでに連邦議会(下院)を通過しており、来年1月1日付で施行される。
フルタイム勤務の被用者はパート勤務に切り替える権利を現行法で認められているものの、フルタイム勤務への復帰は保障されていない。このためフルタイムへの復帰を会社に認められず、パートに留まるケースが多いことから、公的年金の受給額が減少し、老後に貧困へと陥るリスクがある。
今回の法案はこうした「パートタイムの罠」から被用者を守るために作成されたもので、被用者は最低1年、最高5年の範囲で勤務時間を減らし、同期間の終了後に元の勤務時間で働くことができるようになる。介護や子育て理由にこの制度を利用する人が多いと予想される。特に理由がなくても権利を行使できる。
権利を行使できるのは採用後6カ月超の被用者で、雇用主への申請は短縮勤務開始予定日の3カ月前までに文書で行わなければならない。短縮した勤務時間をさらに短縮することはできないものの、予定よりも早期に復帰することはできる。元の勤務時間に復帰した被用者は復帰後1年間、勤務時間を減らすことができない。
適用対象となるのは従業員数46人以上の企業。同権利を行使できる被用者の数は企業の雇用規模によって異なり、46~200人の企業では被用者15人につき1人が行使できる。201人以上の企業では権利行使者数の上限がなくなる。
同法案にはまた、勤務時間の引き上げ請求権をパート社員に認める条項が含まれている。企業は正当な理由の提示なしにそうした請求を拒否することができなくなる。